ピンになってからも順風満帆…その心は?【芸人「幸福」論】
自己責任で自分が好きなネタを試せる。「ねづっち」の場合
■印象深いなぞかけ
今までお客さんからもらったお題で、印象深いものを尋ねてみた。
「酔っぱらったおじさんから〝このあとキャバクラ行くんだけど、〇〇ちゃん、××ちゃん、ユリちゃん、お持ち帰りするなら誰がいい?〟っていう無茶苦茶なお題がありましたね。〝求婚(球根)ならユリ(百合)がいい〟って答えましたけど」
コンビ解散のあと、ピンになってむしろパワーアップしてる理由を聞いてみた。
「ひと言でいうならストレスがなくなったことです。舞台でウケたウケないより、すべて自己責任で自分が好きなネタを試せる。それが嬉しい」と語るねづっち。毎日ネタ動画もアップしている。今後は師匠方を見習い、歳を重ねるごとに味わいが出る芸が目標と語る。
「究極は、80歳ぐらいになって即興でお題もらって、5分10分かかって『おせーよ』とお客にツッコまれるおじいちゃんになりたい」
若手ライブだけに出るのが当たり前のなかで、浅草や漫才協会に行くことは当時は珍奇に思われたが、本来はそれが芸人としての王道と周囲も気づくようになってから、ねづっちの楽しさは増すばかりなのだろう。
「いや、ほんと嬉しいですよ、今」
なぜ解散後の今のほうが充実しているのか? という、ねづっちの「なぞかけ」は解けたのである。
整いました。
追記
今日もねづっちは浅草や全国で勢力的になぞかけ。帰宅後は奥さんとのホッピーを楽しんでいます。
〈『芸人「幸福」論』 より構成〉
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